USB PDとPPSの違い|Galaxy・Pixelは「PPS対応」充電器を選ぶ

USB PDとPPSの違い|Galaxy・Pixelは「PPS対応」充電器を選ぶ 商品・サービス

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「45WのUSB PD充電器を買ったのに、Galaxyのロック画面に『超急速充電』と出ない」「充電器の説明に『PD対応』『PPS対応』と並んでいて、何が違うのか分からない」。USB-C充電器を選ぶときに、こうした疑問を持つ人は少なくありません。

結論から言うと、PPSはUSB PDの中に加わった「電圧を細かく調整するしくみ」です。iPhoneやノートPCはUSB PDに対応していれば充電できますが、Galaxyの超急速充電や最近のPixelの急速充電は、メーカーが「PPS対応」の充電器を条件にしています。

この記事では、USB PDとPPSの違いを表で整理し、充電器のスペック表記の読み方、機種別の選び方、PPS対応の充電器3機種をメーカー公式の情報をもとに紹介します。W数(45W・65W)の選び方は、GaN充電器45Wと65Wの違い|スマホ中心は45W、PC併用なら65Wで詳しくまとめています。

USB PDとPPSの違い(早見表)

まずは全体像です。

項目 USB PD(固定電圧) PPS(Programmable Power Supply)
位置づけ USB-Cで大きな電力をやり取りする規格 USB PD 3.0で加わった追加機能
電圧の決め方 5V・9V・15V・20Vなど、決まった段階から選ぶ 範囲の中で、機器が電圧と電流を細かく指定する
調整のしかた 充電中は基本的に同じ段階のまま 充電の状態に合わせてリアルタイムで調整
主な利用機器 iPhone、iPad、MacBook、多くのノートPCなど Galaxyの超急速充電、Pixelの急速充電など
表記の例 9V⎓3A / 20V⎓2.25A 5V-11V⎓5A のように「範囲」で書かれる

SamsungはPPSを「デバイスの充電ステータスに基づき電圧と電流をリアルタイムで調整し」供給電力を高めるしくみと説明し、機能欄に「PD 3.0 PDO/PPS 最大45W」と記載しています(Samsung公式)。

PPSがあると何がうれしい?

スマホのバッテリーは、充電の進み具合によって受け取りたい電圧が少しずつ変わります。固定電圧のPDでは、充電器が決まった電圧を送り、スマホの中で必要な電圧に変換します。このとき、変換の差が大きいほど熱やロスが生まれます。

PPSでは、充電器の側が細かく電圧を合わせるので、スマホの中での変換が少なくて済みます。PC Watchのコラムでも、PPSは電圧を含めて小刻みにコントロールし、熱や変換ロスとして失われるエネルギーを抑えるしくみとして紹介されています(PC Watch)。

まとめると、PPSのねらいは次の2つです。

  • 本体の発熱を抑えながら、大きな電力で充電する
  • 機器が求める電力にきめ細かく合わせる

PPSが必要な機種・不要な機種(メーカー公式で確認)

Galaxy:超急速充電はPPS対応が前提

Samsungの45W電源アダプタ(EP-T4511)の公式ページには、機能として「Super Fast Charging 2.0 最大45W」「PD 3.0 PDO/PPS 最大45W」と書かれ、対応機種が次のように分けて載っています(Samsung公式)。

  • 超急速充電(Super Fast Charging):Galaxy S10 5G、Note10、Z Fold2、Z Flip3以降、Aシリーズの一部、Tab S7以降など
  • 超急速充電2.0(Super Fast Charging 2.0):Note 10+、S20 Ultra、S22+、S22 Ultra、S23+、S23 Ultra、S24+、S24 Ultra、Tab S7以降

充電器メーカーのBelkinは、Samsungの超急速充電にはPPSが必須で、ない場合は約18Wの低速で止まると解説しています(Belkin公式ブログ)。「W数は足りているのに超急速充電にならない」ときは、まずPPS対応かどうかを疑うのが近道です。

ただし、PPS対応でも機種との組み合わせで出力が変わることがあります。Anker Nano Charger (45W)の公式ページには「Galaxy S25 Ultra / S25+を充電する場合、実際の出力は約30W」と注意書きがあります(Anker公式)。

Pixel:急速充電の条件に「USB-C PPS充電器」

GoogleのPixelヘルプでは、急速充電の条件がすべて「USB-C PPS充電器」で書かれています(Google Pixel ヘルプ)。

機種 公式の急速充電の条件 充電の目安
Pixel 11 / 11 Pro 30W以上のUSB-C PPS充電器 30分ほどで55%
Pixel 11 Pro XL 45W以上のUSB-C PPS充電器 30分ほどで75%
Pixel 10 Pro 30W以上のUSB-C PPS充電器 30分ほどで55%
Pixel 10 Pro XL 45W USB-C PPS充電器以降 30分ほどで70%
Pixel 10a 45W USB-C PPS充電器以降 30分ほどで50%

※充電器は別売りで、実際の速度は遅くなる可能性があると記載されています。

Pixel 10 Pro XLや11 Pro XLは「45W」かつ「PPS」が条件です。30W級の充電器では、公式に書かれた速さは期待しにくいでしょう。

iPhone:USB PDで充電。新しいProは「AVS」に注目

AppleのサポートページではiPhoneの高速充電の条件はUSB PD(USB-PD)対応のアダプタで書かれていて、PPSの記載はありません。iPhone 17・17 Pro・17 Pro Maxは40W以上のアダプタで約20分で最大50%です(Apple サポート)。

一方、同じページではiPhone 18 Pro / Pro Max / Duoの条件として、Apple純正の40Wダイナミック電源アダプタ(最大60W対応)のほか、他社製なら「AVS(Adjustable Voltage Supply)対応・USB-PD 3.2の60W以上」が挙がっています。AVSはPPSとは別のしくみです。USB-IFはUSB PD 3.1の説明で、15Vから充電器が出せる最大の固定電圧まで、機器が中間の電圧を求められる「可変電圧供給モード」を紹介しています(USB-IF)。「PPS対応」と書いてあってもAVS対応とは限らないので、iPhone 18 Pro系を最速で充電したい人はAVSの表記を確認しましょう。

充電器の表記の見方

商品ページの「出力」欄は、次の3点を見ると読み解けます。

  1. 固定電圧の行(PDO):「5V⎓3A / 9V⎓3A / 15V⎓3A / 20V⎓2.25A」のように、決まった電圧が並んでいる部分。これが通常のUSB PDです。
  2. 範囲で書かれた行(PPS):「PPS:5V-11V⎓5A」のように「〜」や「-」で範囲になっている部分。これがPPSです。この行がなければPPS非対応の可能性があります。
  3. PPSの最大W数:合計W数とPPSの最大W数が同じとは限りません。PPSの行に書かれた上限も確かめましょう。

実例として、Anker Nano Charger (45W)は「5V⎓3A / 9V⎓3A / 15V⎓3A / 20V⎓2.25A(最大45W)」に加えて「PPS:5V-11V⎓5A(最大45W)」と書かれています(Anker公式)。PPSの行で5Aが書かれている場合、その電流を流すには5A対応のUSB-Cケーブルが必要です。Samsungも45Wアダプタでは同梱の5Aケーブルの使用を推奨しています(Samsung公式)。

PPS対応の充電器3機種を比較

メーカー公式ページでPPS対応を確認できた製品です。価格は10月27日に公式ページで確認したもので、確認できなかったものは「確認できず」としています。

製品 最大出力 ポート PPSの表記 付属ケーブル 公式価格(税込)
Anker Nano Charger (45W) 45W USB-C×1 5V-11V⎓5A(最大45W) USB-C & USB-C(1.8m) 3,990円
Belkin BoostCharge Pro 65W(WCH013) 65W(2台同時は45W+20W) USB-C×2 PPS対応(電圧・電流は確認できず) 確認できず 確認できず
Samsung 45W Power Adapter(EP-T4511) 45W USB-C×1 5.0-20.0V⎓2.25A USB-C to USB-C 5Aケーブル(1.8m) 確認できず(公式は販売終了表示)

Anker Nano Charger (45W):PPS 45W対応の小型1ポート

約37×33×32mm・約60gの1ポート充電器で、PPSでも最大45Wと書かれています。USB-Cケーブル(1.8m)が付属し、税込3,990円です(Anker公式)。iPhoneとAndroidを家族で共用したい人の最初の1台として検討しやすい製品です。ただし前述のとおり、Galaxy S25 Ultra / S25+では実際の出力は約30Wとされています。

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Belkin BoostCharge Pro 65W(WCH013):PPS対応の2ポート

PD 3.0とPPSに対応した2ポートのGaN充電器です。1ポートなら最大65W、2台同時なら片方が最大45W・もう片方が最大20Wで、2年保証と書かれています(Belkin日本公式)。AndroidスマホとノートPC、イヤホンなどを1つにまとめたい人向けです。なお公式ページではPPSの電圧・電流の詳しい値は確認できませんでした。

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Samsung 45W Power Adapter(EP-T4511):Galaxy純正の45W

Samsung公式で「Super Fast Charging 2.0 最大45W」「PD 3.0 PDO/PPS 最大45W」と書かれた純正アダプタで、5Aケーブル(1.8m)が同梱されています(Samsung公式)。Galaxy S24 Ultraなど超急速充電2.0の対象機種を使っている人が、メーカーが対応をうたう純正品を選びたい場合の候補です。10月27日の確認時点では、Samsung公式オンラインショップのページは「販売終了」の表示で、日本円の価格は確認できませんでした。購入するときは型番と販売元を確かめてください。

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使い方別の選び方

こんな人 選び方の目安 候補の例
iPhone 17シリーズ・iPadだけ USB PDで40W以上(PPSはなくてもよい) Anker Nano Charger (45W)
Galaxyで超急速充電2.0(45W)を使いたい PPSで45W・5Aケーブル。対応機種の記載がある製品 Samsung EP-T4511(対応機種を公式に記載。公式は販売終了)
Galaxy・Pixelで急速充電を使いたい PPS対応で、PPSの最大W数が機種の条件以上 Anker Nano Charger (45W)(PPS最大45Wの表記)
AndroidとノートPCを同時に PPS対応の65W・2ポート Belkin WCH013
iPhone 18 Pro系を最速で AVS対応・USB-PD 3.2の60W以上(Apple公式) AVS対応の記載がある製品(この記事の3機種は公式ページでAVSの記載を確認できず)

※Anker・BelkinのPixelでの実際の出力は、メーカー公式では確認できませんでした。

外出先で充電する機会が多い人は、モバイルバッテリーもPPS対応かどうかを見ておくと安心です。容量の選び方はモバイルバッテリー10000mAhと20000mAhの違いで解説しています。

【考察】これから買うなら「PPS対応」を選んでおくと無難

USB PDとPPSは対立する規格ではなく、PPSはPDの上に乗っている機能です。BelkinはPPS対応の充電器は通常のPDにも対応し、下位互換があると説明しています(Belkin公式ブログ)。

つまり、PPS対応の充電器を選んでおけば、iPhoneやノートPCは通常のPDで、GalaxyやPixelはPPSで充電できます。今はiPhoneだけでも、家族のAndroidや次の買い替えを考えると、価格差が小さいならPPS対応を選んでおくのが無難です。

一方で、PPS対応なら何でも最速になるわけではありません。Galaxyの45WやPixelのPro XLのように、PPSの行の最大W数と5Aケーブルまで条件がそろって、はじめて公式の速さに近づきます。さらにiPhone 18 Pro系のように、PPSとは別のAVSを条件にする機種も出てきています。

PPS対応充電器のメリット・デメリット

メリット

  • GalaxyやPixelの急速充電の条件を満たしやすい
  • 通常のUSB PDにも対応するので、iPhoneやノートPCにも使える
  • 電圧を細かく合わせるので、スマホ側の発熱を抑えやすいとされる

デメリット

  • PPSの最大W数を合計W数とは別に確かめる必要があり、表記を読む手間がかかる
  • PPSの行に5Aと書かれた充電器を使い切るには5A対応ケーブルが必要になる
  • AVSなど新しいしくみには対応していないことがある

向いている人・向いていない人

PPS対応充電器が向いている人

  • Galaxy・PixelなどのAndroidスマホを使っている人
  • 家族でiPhoneとAndroidが混ざっていて、充電器を共用したい人
  • 今後Androidに乗り換える可能性がある人

PPSにこだわらなくてよい人

  • iPhone・iPad・MacBookだけを使っている人(USB PD対応で十分なことが多い)
  • ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチなど、小さな機器の充電が中心の人

買う前の注意点

  • ケーブルの対応電流:PPSで5Aと書かれた充電器は、5A対応のUSB-Cケーブルでないと出し切れません。
  • 機種ごとの上限:充電器が45Wでも、機種によって実際の出力は下がります(例:Anker Nano Charger (45W)でGalaxy S25 Ultra / S25+は約30W)。
  • PSEマーク:日本でコンセントに挿して使う充電器には、電気用品安全法にもとづくPSEマークの表示が必要です。
  • 価格は変わる:この記事の価格は10月27日に公式ページで確認した表示です。Amazonの価格は変わりやすいので、購入前に商品ページで確認してください。

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まとめ

  • PPSはUSB PD 3.0に加わった追加機能で、電圧と電流を充電の状態に合わせて細かく調整する
  • Galaxyの超急速充電、Pixelの急速充電は、メーカーが「PPS対応」の充電器を条件にしている
  • iPhone 17シリーズはUSB PD対応の40W以上が目安。iPhone 18 Pro系は他社製ならAVS対応・USB-PD 3.2の60W以上が条件(Apple公式)
  • 表記は「範囲で書かれた行」がPPS。PPSの最大W数と5Aケーブルも確認する
  • 迷ったら、PDにもPPSにも対応した充電器を選ぶと機種を問わず使いやすい

W数そのものの選び方はGaN充電器45Wと65Wの違いもあわせて読むと、自分に合う1台が決めやすくなります。

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