ポータブル電源の容量の選び方|停電で何時間使える?計算式で解説

ポータブル電源の容量の選び方|停電で何時間使える?計算式で解説 商品・サービス

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「停電に備えてポータブル電源を買いたいけれど、300Wh・1,000Wh・2,000Whのどれにすればいいのか分からない」「カタログに書いてあるWhとWの違いがよく分からない」。そんな人は多いのではないでしょうか。

ポータブル電源は、容量(Wh)と定格出力(W)の2つの数字を読めれば、自分の家に合う大きさがほぼ決まります。この記事では次のことを解説します。

  • 容量(Wh)と定格出力(W)の違いと見方
  • 家電が「何時間使えるか」の計算方法(メーカーが示す係数0.8の意味)
  • 冷蔵庫・電気毛布・スマホ充電などの使える時間の目安
  • 停電に備えるときの容量の考え方と、容量別の代表機種

セール時期の価格やおすすめ機種の比較は、ポータブル電源おすすめ5選の記事にまとめています。この記事は「どの容量を選べばいいか」を判断するためのガイドとして読んでください。

※この記事の使用時間は、メーカーが公開している計算式に当てはめた「目安」です。実際の時間は、家電の使い方、気温、バッテリーの劣化などで変わります。

容量別の代表機種と「何時間使えるか」の比較

先に結論の表です。メーカーの計算式(容量×0.8÷消費電力)で編集部が試算しました。家電の消費電力は、メーカーの解説記事で例として使われている数値です。

家電(消費電力の例) 288Whクラス 1,024Whクラス 2,042Whクラス
スマホ充電器(20W) 約11.5時間※ 約41時間 約82時間
LEDライト(10W) 約23時間※ 約82時間 約163時間
ノートPC充電器(60W) 約3.8時間※ 約13.7時間 約27時間
電気毛布(40W) AC非搭載のため不可 約20時間 約41時間
冷蔵庫(平均約30W) AC非搭載のため不可 約27時間 約54時間
電子レンジ(1,000W) AC非搭載のため不可 約49分 約98分

※288Whクラスは、AC(コンセント)出力のないAnker Solix C300 DCを想定。USB出力では交流への変換がないため実際のロスは0.8の係数と異なる可能性があり、参考値です。

表から分かるのは、1,000Whクラスあれば、冷蔵庫や電気毛布のような消費電力の小さい家電を丸1日前後動かせる計算になるということです。一方で電子レンジのような消費電力の大きい家電は、1,000Whクラスでも1時間もちません。

容量(Wh)と定格出力(W)の違い

容量(Wh)=「どれだけ長く」使えるか

Whは「W(ワット)」と「h(時間)」を掛け合わせた単位で、バッテリーにためておける電気の量を表します(Anker)。単純に言えば、300Whなら「300Wの家電を1時間」「30Wの家電を10時間」動かせる量です。ただし後で説明するとおり、実際にはロスがあるので、これより短くなります。

定格出力(W)=「どの家電まで」使えるか

定格出力は、ポータブル電源が連続して出し続けられる電力の上限です。もう一つ、最大(瞬間)出力という数字もあり、こちらは短い時間だけ出せる電力の上限です(Anker)。

使えるかどうかの判断は、次の2つを両方満たすかで見ます。

  1. 家電の定格消費電力 < ポータブル電源の定格出力
  2. 家電の起動電力 < ポータブル電源の最大(瞬間)出力

電子レンジやモーターを使う家電は、動き出す瞬間に大きな電力(起動電力)が必要です。Ankerの解説では、電子レンジの起動電力は定格消費電力の1.5〜2倍以上になることも珍しくないとされ、冷蔵庫についても、消費電力150Wの例で起動時に450〜750Wになるとしています。

なお、電子レンジの「500W」「600W」といった表示は温める強さ(出力)で、コンセントから使う消費電力とは別です。本体の仕様表で「定格消費電力」を確認しましょう。

ざっくり言うと、容量は「時間」、定格出力は「使える家電の種類」を決める数字です。容量が大きくても定格出力が足りなければその家電は動かず、定格出力が大きくても容量が小さければすぐ電池が切れます。

何時間使える?計算方法と「0.8」の根拠

基本の計算式

EcoFlowとAnkerは、どちらも次の式を紹介しています(EcoFlow、Anker)。

使用時間(h)= ポータブル電源の容量(Wh)× 0.8 ÷ 家電の消費電力(W)

なぜ0.8を掛けるのか

ポータブル電源の中の電池は直流(DC)で電気をためています。家庭用コンセントと同じ交流(AC)に変換して家電に送るとき、熱などで一部の電気が失われます。Ankerの解説では、実際に使えるのは容量の80〜90%程度で(Anker)、安全を見て80%(0.8)で計算するとしています。冷蔵庫の解説でも、直流から交流への変換ロスを約20%と見込んだ係数だと説明されています(Anker)。

つまり1,024Whの機種なら、実際に使える目安は約819Wh(1,024×0.8)です。

計算例

  • 電気毛布(40W)を1,024Whで:1,024×0.8÷40=約20.5時間(表では約20時間)
  • 冷蔵庫(平均約30W)を2,042Whで:2,042×0.8÷30=約54時間
  • 電子レンジ(1,000W)を1,024Whで:1,024×0.8÷1,000=約0.82時間(約49分)

冷蔵庫は「平均消費電力」で考える

冷蔵庫はコンプレッサーが常に動いているわけではありません。Ankerの解説では、年間消費電力量(kWh/年)を8,760(1年の時間数)で割ると平均消費電力が出るとしています。年間約260kWhの冷蔵庫なら平均約30Wです。

自宅の冷蔵庫の年間消費電力量は、本体のシールや取扱説明書で確認できます。たとえば年間400kWhと書かれていれば、400,000÷8,760=約46Wが平均の目安です。ただし年間消費電力量は決められた条件で測った値なので、扉の開け閉めや室温によって実際の消費は変わります。

計算結果は「理論上の目安」

ここで出した時間は、あくまで計算上の目安です。温度調整で電力が上下する家電(電気毛布・冷蔵庫など)は計算より長く使えることがあり、逆にバッテリーの劣化や寒さで短くなることもあります。余裕をもった容量を選ぶのが基本です。

停電対策での容量の目安

メーカーが示す目安

Ankerは用途別の容量の目安として、日帰りキャンプなら200Wh前後、災害・停電対策なら700Wh以上を挙げています(Anker)。冷蔵庫や暖房なども動かすことを想定した数字です。

「1日に使う電気の量」から逆算する

もっと自分に合った容量を知りたいときは、停電中に使いたい家電を書き出し、1日分の電気の量を足し算します。以下は編集部の試算例です。

使いたい家電 消費電力 × 時間 1日の電気の量
冷蔵庫(平均約30W) 30W × 24時間 720Wh
ノートPC(60W) 60W × 4時間 240Wh
スマホ充電(20W) 20W × 3時間 60Wh
LEDライト(10W) 10W × 6時間 60Wh
合計 1,080Wh

合計1,080Whを0.8で割ると、必要な容量の目安は約1,350Whです。

  • 冷蔵庫を除くと合計360Wh → 必要な容量は約450Wh
  • 冷蔵庫も含めて1日分 → 約1,350Wh(1,000Whクラスでは足りず、2,000Whクラスが候補)

このように、冷蔵庫を動かすかどうかで必要な容量が大きく変わります。スマホ・照明・PCだけなら500Wh前後でも1日分をまかなえる計算ですが、冷蔵庫を含めるなら1,000Wh超が目安です。

停電がどれくらい続くかは災害によって違うため、「何日もてば安心」とは言い切れません。ポータブル電源は停電中の不便を減らす道具の一つと考え、飲料水や食料、乾電池式のライトなどの備えと組み合わせるのが現実的です。

容量別の代表機種

Anker Solix C300 DC|288Wh・スマホやPCの充電用

容量288Whの小型モデルです。AC(コンセント)出力はなく、USB出力に特化しています(Gamepedia Premium)。電気毛布や冷蔵庫など、コンセントにさす家電は使えません。停電中のスマホ・ノートPCの充電用と割り切れる人向けです。

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Jackery ポータブル電源 1000 New V3|1,024Wh・軽さとUPS

容量1,024Wh、AC定格出力1,500W、瞬間最大出力3,000W、重さ約10.6kg。停電時にバッテリー給電へ切り替えるUPS機能の切替時間は約0.01秒(10ms)で、充放電サイクルは6,000回とされています(デジカメ Watch)。2026年7月24日発売で、直販価格(本体のみ)は109,800円と報じられています(発売時)。

Jackeryのソーラーパネルとのセット製品については、Jackery Solar Generator 1000 Newの解説記事で詳しく紹介しています。停電が長引いたときに太陽光で充電したい人は、あわせて読んでみてください。

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Anker Solix C1000 Gen 2|1,024Wh・約54分で満充電

容量1,024Wh、最大出力1,550W、重さ約11.3kg。リン酸鉄リチウムイオン電池で、4,000回の充放電後も容量80%以上を保つとされています。超急速充電モードでは約54分で満充電になると報じられています(INTERNET Watch)。台風の接近が分かってから急いで充電したい場面で便利です。

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EcoFlow DELTA 3 Classic|1,024Wh・定格1,500W

容量1,024Wh、定格出力1,500W、瞬間最大出力3,000W、重さ約12.1kg。電池はLFP(リン酸鉄リチウム)で、停電時のバッテリー給電への切り替えは0.01秒以内とされています(PHILE WEB)。据え置きで使う前提なら有力な候補です。

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Jackery ポータブル電源 2000 New|2,042Wh・冷蔵庫も含めて備えたい人に

容量2,042Wh、定格出力2,200W、重さ17.9kg。約66分で80%、102分で満充電とされています(家電 Watch・Jackery Japan提供のタイアップ記事)。上の試算のように冷蔵庫を含めて1日分を確保したい場合、計算上は2,000Whクラスが候補になります。

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スペック比較表

機種 容量 出力 重さ AC出力
Anker Solix C300 DC 288Wh — — なし
Jackery 1000 New V3 1,024Wh 定格1,500W/瞬間最大3,000W 約10.6kg あり
Anker Solix C1000 Gen 2 1,024Wh 最大1,550W 約11.3kg あり
EcoFlow DELTA 3 Classic 1,024Wh 定格1,500W/瞬間最大3,000W 約12.1kg あり
Jackery 2000 New 2,042Wh 定格2,200W 17.9kg あり

※「—」は今回確認した出典に記載がなかった項目です。購入前にメーカーの仕様表で確認してください。

使い方別の選び方

使い方 容量の目安 向いている機種
停電中はスマホ・PCの充電だけできればいい 300Wh前後 Anker Solix C300 DC
照明・PC・電気毛布などを1日前後 1,000Whクラス Jackery 1000 New V3/Anker Solix C1000 Gen 2/EcoFlow DELTA 3 Classic
冷蔵庫も含めて1日分以上を確保したい 2,000Whクラス Jackery 2000 New

向いている人

  • 停電時に冷蔵庫・照明・通信機器を動かして不便を減らしたい人
  • 在宅ワークで、停電中もPCやWi-Fiルーターを使いたい人(UPS機能付きのモデル)
  • キャンプや車中泊でも使い回したい人

向いていない人

  • 電子レンジやドライヤー、暖房器具など消費電力の大きい家電を長時間使いたい人(1,000Whクラスでも1時間もたない計算です)
  • 重さ10kg以上の機器を置く場所や持ち運ぶ体力に不安がある人
  • 使う家電がまだ決まっていない人(先に「何を何時間使うか」を決めると選びやすくなります)

【考察】迷ったら「冷蔵庫を動かすかどうか」で決める

計算してみると、スマホ・照明・PCの電力はそれほど大きくありません。容量選びを大きく左右するのは冷蔵庫を動かすかどうかです。冷蔵庫を含めないなら1,000Whクラスで余裕があり、含めるなら2,000Whクラスを検討する価値があります。

もう一つの分かれ目は重さです。1,000Whクラスで10〜12kg、2,000Whクラスでは約18kgになります。据え置きで使うなら大容量、ベランダや車に運ぶ場面があるなら1,000Whクラス、と置き場所と運び方から逆算するのも一つの方法です。

ヒーターのような消費電力の大きい暖房は、ポータブル電源では短時間しか使えません。寒い時期の停電に備えるなら、セラミックファンヒーター(今回の機種は強運転1,200W前後)より、電気毛布(40〜75W)のような消費電力の小さい家電を組み合わせるほうが、計算上は長く使えます。

購入前の注意点

  • 計算結果は目安:使用時間はメーカーの計算式に当てはめた理論値です。家電の使い方や気温、電池の劣化で変わります。
  • 家電の消費電力を確認する:本体のシールや取扱説明書で「定格消費電力」を確認しましょう。起動電力が大きい家電は、最大(瞬間)出力も確認が必要です。
  • 買ったら一度つないで試す:Ankerは、購入後に冷蔵庫へ実際につないで動作を確かめておくことを勧めています。停電してから初めて使うのは避けましょう。
  • AC出力の有無を確認する:小型モデルの中には、Anker Solix C300 DCのようにAC出力がない機種があります。
  • 販売元を確認する:Amazonでは同じ商品名でも販売元が異なる出品があります。メーカー公式ストアやAmazon.co.jpが販売するものを選ぶと安心です。
  • 医療機器には使わない前提で考える:この記事は一般の家電を対象にしています。医療機器を使う場合は、機器のメーカーや主治医に相談してください。

ポータブル電源の価格をAmazonでチェック

この記事で紹介した機種の価格は、こちらから確認できます。価格は変わりやすいので、購入前に最新の価格と販売元を確認してください。

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まとめ

  • 容量(Wh)は「どれだけ長く」、定格出力(W)は「どの家電まで」使えるかを決める
  • 使用時間の目安は「容量×0.8÷消費電力」。0.8は直流から交流への変換ロスを見込んだ係数(EcoFlow・Ankerの解説)
  • 1,024Whクラスなら、電気毛布(40W)約20時間、冷蔵庫(平均約30W)約27時間、電子レンジ(1,000W)約49分が計算上の目安
  • 停電対策は、Ankerの目安では700Wh以上。冷蔵庫も1日動かすなら、編集部の試算では約1,350Wh以上が目安
  • スマホ充電だけなら小型、照明やPC・電気毛布なら1,000Whクラス、冷蔵庫も含めるなら2,000Whクラスが候補

まずは停電中に使いたい家電と時間を書き出して、この記事の計算式に当てはめてみてください。セール時期の価格比較はポータブル電源おすすめ5選の記事にまとめています。

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